悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

1)「心」と「脳」 1-2-1-1)知覚(五感)

1-2-1-1)知覚(五感)

ここからは、人間の心(脳)が持つ様々な機能を説明して行きます。

1)知覚(五感)は、感覚器官から入った(感覚)情報を、おおむね大脳新皮質の後半部位(頭頂葉、側頭葉、後頭葉)が、分析し処理し意味づけをするまでの過程をいう。人の場合には知覚(視覚[後頭葉]、聴覚[側頭葉]、体性感覚[頭頂葉])するのは大脳新皮質後半部位です。五感と述べましたが、知覚は外からの五感以外からも受け取ります。例えば運動感覚(身体の運動についての感覚)、平衡感覚、内臓感覚(臓器の状態に伴う感覚)など身体内部から上昇して来る感覚情報もあります。

体性感覚、味覚、嗅覚を含めた特殊感覚、内臓感覚を含めた全感覚の統合に関わっているのは「島皮質」です。更に島皮質は、情動、言語、更には、身体知覚に基づいた自己意識にも関わります。

注)「島皮質」については、次の「2)「自我」と「島皮質」」章で詳しく説明します。