悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

9)成長とそれを促進する理論・方法 9-8-1)環境と「アフォーダンス」

9-8-1)環境と「アフォーダンス」

アメリカの心理学者ジェームズ・ジェローム・ギブソンは、認知心理学の学説として「アフォーダンス理論」を提唱しました。「情報は環境に存在し、人や動物はそこから意味や価値を見い出す」という。

アフォーダンス(情報[意味、価値])は環境の側に全てあり、認知主体(個体)はそれを探す(受け取る)だけです。この中の「環境」を「純粋経験」と置き換えると、人(自我、意識、認知主体)や動物は、個々の認知能力に応じてその環境(純粋経験)から意味や価値を見い出し、取り出します。

意識化とは、自覚とは、止揚とは、自分の外にある環境(純粋経験)から自分にとって有用な意味や価値を自分の内に取り込む行為です。「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」とキリストはいう。神を環境と置き換えると、人は環境(神)から食べ物も含めて情報的に有用な価値や意味(言葉)を受け取って生きるとなります。