悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

2023-07-06から1日間の記事一覧

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-4)意識に関するまとめ

3-1-4)意識に関するまとめ あらためて意識についてまとめると、1)「覚醒」状態は、「脳幹」(特に青斑核)が主導権を取ってている状態で、2)(受動性)「認知」機能は、更に「大脳新皮質の後半部位(頭頂葉、側頭葉、後頭葉)」も作動してここが主導的位置にいる状態で、「…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-3-1)能動性注意と集中力

3-1-3-1)能動性注意と集中力 目標達成に欠かせない注意力の制御には、1)「気を散らすものを無視する力」(選択と集中)と、2)「衝動を抑える力」(抑制)の2つで成り立ちます。これら2つの能力はそれぞれ独立しているものの、青斑核(ノルアドレナリン神経)の活動が…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-3-0)「明確な反応」を示す能動的注意状態

3-1-3-0)「明確な反応」を示す能動的注意状態 認知活動は、情報を受け取る、統合的に処理する、理解解釈することで、これらは受動的活動ですが、「注意」は、認知活動の一部分といえども能動的活動です。何故能動的かといえば、トップダウン方向に働くからです。…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-2-2)メタ認知と夢

3-1-2-2)メタ認知と夢 小学校の低学年頃から自分の記憶を客観(上位階層から)的に判断するメタ記憶(記憶を記憶する機能)が育ちはじめ、例えば自分の記憶と夢の内容を自己観察できるようになります。でなければ、記憶が夢での記憶なのか現実世界での記憶なのか…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-2-1)「メタ認知」

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-2-1)「メタ認知」 認知機能は、1)認知機能(認知作業層)とその認知機能を更に上位から俯瞰的に認知する「メタ認知」機能(管理監督層)とに分かれます。このメタ認知機能も、メタ記憶と同じ前頭前野の外側にある「背外側前頭前野」が…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-2-0)「認知・認識可能状態」

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-2-0)「認知・認識可能状態」 レベル1)の覚醒状態は、部屋(大脳新皮質)に明かりが灯った状態ですが、レベル2)の意識状態(認知レベル)は、自分の今ある状態や、周囲の状況などを「認識(認知)」(理解)できている(認知機能が起動して…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1-1)起きている「覚醒状態」

3-1-1)起きている「覚醒状態」 1)「視覚や聴覚などの感覚的刺激を感じ取ることが可能な状態」を、「覚醒」状態という。これよりも下がると睡眠状態といえます。 注)覚醒安静時(目を閉じて安静)=α(アルファ)波(周波数:8~13Hz、振幅30~60μV程度の比較的規則正し…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1)「意識」の強度(強さレベル)

3)「意識」と「その三つの理論」 3-1)「意識」の強度(強さレベル) 意識は、まだ統一された定義が提示されていないが、浅い階層順に述べていくと、 脳の働きが活性化し、感覚に入る1)「刺激を感じ取ることが可能な状態」(覚醒状態)、自動的な意識(車でいえばアイドリ…

3)「意識」と「その三つの理論」 3-0)ユングの意識

3)「意識」と「その三つの理論」 3-0)ユングの意識 カール・グスタフ・ユング(1875年生まれのスイスの精神科医・心理学者)は、「自我=意識、意識=自我」という。自我は、心=脳の全体ではなく、心の内で「意識が扱える部分のみ」だという。ということで、自我=意識と…

2)自我と島皮質 2-4-1-7)島皮質と意思決定

2)自我と島皮質 2-4-1-7)島皮質と意思決定 島皮質からの情報は、(前)帯状回や前頭葉(特に前頭前野)に伝えられて意思決定にも関与します。このように意思決定のための情報を提供します。これは、島皮質よりも(前)帯状回や前頭葉(特に前頭前野)の方が上位階層…

2)自我と島皮質 2-4-1-6)島皮質と心理的・社会的報酬と罰

2-4-1-6)島皮質と心理的・社会的報酬と罰 島皮質は、(物質的ではない)心理的・社会的報酬(感謝、褒め言葉、不正行為の摘発、信頼の獲得、子供や孫の写真)でも活動します。逆に身体的な痛みのみならず、 疎外、死別、不公正な処遇などの心理的社会的な痛みでも…

2)自我と島皮質 2-4-1-5)島皮質と共感

2-4-1-5)島皮質と共感 物質は共振が生じますが、動物では共感が生じます。例えばラットの脳の前帯状皮質に共感を感じられるミラー・ニューロンは、同種を傷つける行為を嫌悪するという危害嫌悪を生じさせます。敵と仲間との区別をつける機能を共感は果たしま…