悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

6)無我と執着 6-4-2)脳内には三大ネットワーク

6-4-2)脳内には三大ネットワーク

脳内には三大ネットワークがあり、能動的作業を主導する1)「中央実行ネットワーク」(作業記憶)と、身体を気遣う2)「顕著性ネットワーク」と、受動的(無意識)作業を担う3)「デフォルトモードネットワーク」があります。

この内で集中を途切れ(中断)させるのが、身体を気遣う生命(身体)維持優先の「顕著性ネットワーク」です。この顕著性ネットワークは、島皮質(自我意識)と前部帯状皮質(前部帯状回)とで構成されています。更に顕著性ネットワークは感情に関わる前部帯状皮質が参加しています。顕著性ネットワークは生命(身体)維持優先ですが、平静(感情を発動しない状態)維持優先も存在すると思います。この限界を超えると感情(疲れた!苦しい!)を発動させるが、通常は平静(恒常性)を維持すると。その感情リミットを持つのも顕著性ネットワークだと思います。感情リミットを超えたと顕著性ネットワークが判断すると、中央実行ネットワークの作業にブレーキをかけて、感情の発動に切り換えると。

このように無我夢中にさせるのは、中央実行ネットワークであり、それにブレーキをかけるのが、顕著性ネットワークです。修行として荒行を行うのは、この顕著性ネットワークがブレーキを踏む限界(リミット)を高めるためです。