悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

5)無意識と内向性 5-3-1)自律神経と前頭前野

5-3-1)自律神経と前頭前野

自律神経の中枢は、中枢自律神経線維網(中枢性自律神経)とも呼ばれ上部構造と下部構造に別れます。上部構造は大脳辺縁系の範囲を含め、前頭前野とも繋がっています。下部構造は、中脳から、橋、延髄孤束核までの範囲を含みます。

不快、怒り、不安、恐怖などのネガティブ情動や各部臓器の感覚の情報によって、上部構造にある前帯状回(情動担当部位)が興奮し、視床下部を介して、内分泌系と交感神経を興奮させます。中枢自律神経線維網は不快な情報に対して興奮するため、不快ネットワークともいう。

前頭前野はこの中枢自律神経線維網の著しい興奮を抑えます。リラックス状態になると、副交感神経の働きが高まります。呼吸は、吸う時は交感神経、吐く時は副交感神経に支配されます。吐く時間をゆっくりと取ると副交感神経優位となります。