悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

4)脳と前頭前野 4-5-2-2)前頭前野を三分割

4)脳と前頭前野

4-5-2-2)前頭前野を三分割

前頭前野は、1)内側前頭前野、2)眼窩前頭皮質、3)外側前頭前野で構成されます。

1)内側前頭前野は、行動を発現するための動機付けの制御に関与します。内側前頭前野がメタ認知との関連が強いです。

2)眼窩前頭前野は、多種感覚の情報が入力する一方で、扁桃体からも豊富な入力を受け取ります。情報を取捨選択して総合することによって、更には社会性という面も考慮して情報の価値を判断し、適切な行動へと結びつけます。

3)外側前頭前野は、他の前頭前野領域、頭頂葉、側頭葉、高次運動野などと連携して、行動の目的を決定し、それを達成するために必要な行動や動作を時間(順序)立てて行動の企画をする場であり、中央実行機能を担っています。前頭前野の背外側部(額の中央から左右両側の部分に相当する領域)は、脳の司令塔としての役割を持ち、記憶、意思決定、注意、集中、実行など、思考や行動の中心となるさまざまな機能を担っています。記憶は、大脳辺縁系海馬ですが、内容を理解した上で記憶する場合には、前頭前野背外側部(能動的検索)との連係が不可欠です。制御の機能の一つとしての行動抑制時に、前頭前野外側部(特に下部)が活発に働きます。