悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

1)「心」と「脳」 1-2-2)各階層は下の情報を一本化する

1-2-2)各階層は下の情報を一本化する

今まで説明した1)知覚も2)感情も4)思考も5)意思決定も、様々な情報を一つにまとめる(体系化、一本化する)作業です。下の階層で体系化した(要約)情報を上の階層に送り上げます。

知覚は感覚情報を体系化します。例えば、知覚は個々の感覚器官から上がって来た色や形や匂いや触感から、一つのまとまった、例えば「りんごだとイメージ的に判断」する(知覚)作業です。

感情は、知覚が判断した内容(りんご)から「美味しそうだ食べよう」と行動的に決定する意思決定(情動表現)を表します。別の場合にはヘビだと判断して恐怖感情としてまとめ上げて心の中に表示して逃走という行動を決定します。

では何故恐怖感情としてまとめ上げる必要があるのかといえば、脳内は情報を自律分散型処理を同時並列式に多数実行しているから、一つのまとまった意思(体系化)へと決定しなければ、つまり他のあらゆる作業を止めて一本化しないと行動化できないからです。

思考は、様々な概念(言葉)から一つの体系化した思考内容を組み立てることです。

意志(行動化)は、1)知覚の段階(例えば脊髄反射)でも2)感情の段階(例えば情動)でも3)思考の段階でも実行可能です。つまり意志はボトムアップからトップダウンへの切り返し点です。