悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

1)「心」と「脳」 1-2-1-4)知(思考)

1-2-1-4)知(思考)

4)知(思考)は、大脳新皮質全体(その中でも前頭葉[特に前頭前野]を中心として)が担います。思考とは、感覚(情報)や表象(心に描くイメージ)の内容を概念化(具体的な複数のものの共通要素を抽出して一つに体系化して抽象的な概念(言葉)に落とし込む)し、判断し、推理する心の働き(機能)をいう。主に大脳新皮質の後半部分にある情報を前頭葉(特に前頭前野)が操作することで思考します。知(思考)に関しては、前頭前野がオーケストラ(各種楽器)を指揮してまとめる(統合する)役割を果たします。

 

1-2-1-5)意(意図、意思決定、行動化)

5)意(意図、意思決定、一つを選び取ること)は、大脳新皮質の前半部分の前頭前野でも特に前頭前野「背外側部」が担います。それを受けて前頭葉運動野が行動(企画設計、プログラム)化します。意は、ボトムアップして来た感覚情報を元に行動化する「切り返し地点」を意味します。脊髄反射は、脊髄が意の機能を果たします。情動反応は、扁桃体が意の機能を果たします。知性反応は、前頭前野が意の機能を果たします。

注)6)意識は、「3)意識」の章で詳しく説明します。