悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

1)「心」と「脳」 1-2-1-3)記憶と学習

1-2-1-3)記憶と学習

3)記憶と学習(新たな情報の記憶習得)は、大脳辺縁系の「海馬」が中心的に担います。記憶を時間軸で分類すれば、1)感覚記憶、2)短期記憶、3)長期記憶の3つに大きく分類されます。1)感覚記憶は、最大1~2秒ほどの最も保持期間が短い記憶です。各感覚器官に特有に存在し、瞬間的に保持されるのみで意識されません。その内から注意を向けられた情報だけが次の2)短期記憶として保持されます。短期記憶は、数秒から十数秒で情報は忘却されます。海馬で作られた短期記憶のうち、必要と判断された情報だけが大脳新皮質に貯蔵され3)長期記憶となります。

注)各種記憶の保持時間に関しては、確定的な統一見解はないようです。なので数字は参考程度です。

ただし記憶の内でも手続き記憶(技能的プログラム記憶)は、海馬ではなくて「大脳基底核(上下肢の運動、眼球運動、高次脳機能、情動などを制御)と小脳(プログラム貯蔵庫)」を中心とする共同作業(プログラムは小脳に貯蔵されます)です。勿論手続き記憶作業にはそれら以外にも多くの脳部位が参加します。