悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

9)成長とそれを促進する理論・方法 9-0-2-2)意識と無意識

9-0-2-2)意識と無意識

意識と無意識の割合は、意識領域=10%~5%で、無意識領域=90~95%だといわれます。その意識領域を無意識領域へと広げて行くのが成長です。あるいは逆に無意識領域(の情報)を意識領域に取り込んで行くのが成長です。つまり戦国時代の天下統一を成し遂げるのが成長です。悟りの場合には、その領域を拡げて行く方法として、坐禅や瞑想があります。

この意識(自我)=無意識(無我)の時点(悟りが開かれた時点)から無意識(=意識)によって純粋経験を元として生きます。それまでは自我によってその一部分だけをかじりとって消化吸収していました。であっても、無意識(無我)によって純粋経験を元に生きる場合も、完成(完全消化吸収)にはほど遠い状態です。ただあるがままに自然法爾に受け取れるようにはなりますが。

能動性意識が主導権を取って生きている状態が自我で、無意識(無我)が主導権を取って生きている状態が悟り状態です。より厳密にいえば、悟りとは、自我という自己(心身)を拠り所とする自我拠点(自己意識)の喪失(心身脱落)が悟りです。この場合には、意識が無意識全体を覆い尽くす必要はありません。この悟り型は頓悟です。

あらためて元の成長へと話を戻すと、成長とは、1)「統一が増す」こと、2)「階層が増す」「階層を上昇する」(階層が高くなる)ことです。この成長原理は、宇宙全体でも通用します。というよりも、宇宙全体の成長原理だから、人間(心身両面)の成長にもそれが当てはまります。

ここではその内で心(精神)(意識)の成長だけを扱います。成長については、心理学が、宗教が、哲学が述べていますので、その声を聞いてみましょう。