悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

9)成長とそれを促進する理論・方法 9-0-1)宇宙原理的成長

9-0-1)宇宙原理的成長

「4)「脳」と「前頭前野」」章の「4-3-1)心の成長=脳の成熟」節で、「生物発生原則」を紹介しました。受精卵が成体の形になる過程を個体発生といい、地球上に最初に誕生した単純な生物から多種多様な形が生まれてきたその変化の過程を系統発生という。個々の生物は、生物一般が進化の過程をごく大まかにたどる形(系統発生)で成長(個体発生)して行きます。脳に関してもその原則は当てはまります。心=脳ですから、心の成長も生物発生原則に沿って行きます。

生命(生物)は、単細胞生物から開始しました。人脳においても同じように神経細胞をばらばらの形で開始しました。そして神経ネットワーク(神経回路)を形成して、それを更に複雑に絡み合わせて神経回路網を形成させていきます。空では、星をまとめて体系化して行きます。例えば、地球は太陽系に属し、太陽系は更に大きな(天の川)銀河系に属し、というように統合を階層構造的に重ねて行きます。

私達の脳においても、個々の神経細胞をネットワーク(回路)化を階層構造的に重ねることで、心=脳は成長して行きます。科学的に「脳内の全ての神経細胞が階層構造的に統合を終了」した時点が仏教における「悟り」です。