悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

8)悟りと漸悟 8-2-0-1)漸悟への過程の概略

8-2-0-1)漸悟への過程の概略

先ずは漸悟への過程の概要だけを述べますと、

1)自我は、自分と関係あるものと無関係なものを区別し、関係するものに強い執着(関心)を示します。強い強固な狭い「自我」「自我意識」という感覚(壁)が徐々に薄れて行きます。一言で言えば、「自我の希薄化」の進行です。それと同時並行的に意識が拡大して行きます。分厚い狭い意識から薄い広い意識へと変化して行きます。

2)「雑念」「煩悩」「執着」「コンプレックス」などが少なくなって行きます。これは煩悩などの減少と自我の希薄化と意識の拡大とが同時平行して進みます。

3)雑念・煩悩が少なくなると、過去・未来へのとらわれ(執着)が弱くなり、「今」(即今)に「集中」します。今への集中力、集中持続力、没頭力が強く高くなって行きます。

4)雑念・煩悩・コンプレックスにとらわれないので、感情的にならずに泰然自若とした冷静(不動心)でいられます。最終的に心は「涅槃寂静」となります。

5)徐々に根拠がないが心に確信的な基本的信頼感(性善説)に包まれあるがままを受け入れて行きます。

ではそれぞれの過程を見て行きます。