悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

2)自我と島皮質 2-2-3)内発的動機づけの脳内システム

2-2-3)内発的動機づけの脳内システム

内発的動機づけは、脳的には1)「前頭前野」外側部と腹内側部そして2)線条体(側坐核:意欲の発生源)が重要な役割を果たしています。腹側被蓋野(ドーパミン発生源)から側坐核(意欲の発生源)への投射[情報発信]経路は動機付け(しかも努力によって多くの報酬を得る動機付け)に基づく意思決定に関与します。

より詳しく述べると「欲しい物に向かって駆り立てるシステム」の報酬系は、腹側被蓋野(ドーパミン発生)、海馬(記憶)、扁桃体(感情)、側坐核(意欲、行動化)と前頭前野(大局的監視、監督)で構成されています。報酬系を大局的に制御するのは前頭前野です。目の前の短期的利益よりも将来的な長期的利益を選択する場合には、前頭前野が報酬系を制御(ブレーキを踏む)します。またオキシトシンは、報酬系のドーパミンを産出する腹側被蓋野やその投射先の側坐核に作用して社会的な興味を増加させます。