悟りは自我から無我への相転移

悟りは自我から無我への相転移。悟りを哲学、心理学、宗教、脳科学から解説します。

2)自我と島皮質 2-0)自分(自我)とは

2-0)自分(自我)とは

突然ですが、「哲学」するとは何をすることでしょうか。定義的には、1)世界(宇宙)に向けて「根源」のあり方や「原理」を「理性」(言葉を用いて)によって求めようとする学問、あるいは、2)内(個人)にあっては、経験からつくりあげた体系的な人生観(人生について全体的統一的見方)を意味します。

一方で哲学の課題は自我の探究であり、それはデルフォイの箴言「汝自身を知れ」への応答であるともいえます。

では次に「心理学」とは何をすることでしょうか。定義的には、心理学では、1)外的には「行動や認知」を客観的に(外側から)観察する手法と、2)内的には「主観的な内面的な心的経験」を理論的に記述する手法とがあります。

先ずは哲学からみていきましょう。本来ならば自我の定義から入るのが自然な流れなのでしょうが、それは後に譲ります。